むとうの読書ノート 孫子 計篇第一 一

孫子

【素材】

(本・記事・章タイトル・著者など)

孫子 計篇第一 一

【引っかかった点】

(引用 or 要約を1〜3行)

故にこれを校(くら)ぶるに計を以てして、其の情を求む

【最初の反応】

(読んだ瞬間に浮かんだ感情・思考)

「計」は「計る」では無く、「計」という概念では?

【なぜ引っかかったか】

「計る」でも意味は何と無く通じるのだが、「計る」だけでは何か物足りない気がした。「計」という概念で考えればしっくりくるのではないかと思った。

【今の仮結論】

(今の段階での整理)

孫子は、抽出して読んでも、本旨に辿り着かず、意味を取り違える様に思う。

なので、一旦、一から順番に読んでみようと思った。

まず読み下し文

孫子曰く、兵とは国の大事なり、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。

故にこれを経(はか)るに五事を以てし、これを校ぶるに計を以てして、其の情を索(もと)む。

一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法なり。

道とは、民をして上と意を同じくせしむる者なり。故にこれと死すべくこれと生くべくして、危(うた)がざるなり。
天とは、陰陽・寒暑・時制なり。地とは遠近・険易・広狭・死生なり。
将とは、智・信・仁・勇・厳なり。
法とは、曲制・官道・主用なり。

凡そ此の五者は、将は聞かざること莫(な)きも、これを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。故にこれを校ぶるに計を以てして、その情を索む。曰く、主 孰れか有道なる、将 孰れか有能なる、天地 孰れか得たる、法令 孰れか行なわる、兵衆 孰れか強き、士卒 孰れか錬(なら)いたる、賞罰 孰れか明らかなると。

吾れ此れを以て勝負を知る。

これを個人的見解を交えずになるべく簡潔に読みます。

言葉も曲解せずに、素直に並べます。

孫子が言う。
「兵」は、国の大事です。
死生の地、存亡の道、察することができないわけにはいかない。

だから、これを5つの事で経(はか)り、これを校(くら)べるには「計」を使い、その情を索(もと)めます。

第一に「道」、第二に「天」、第三に「地」、第四に「将」、第五に「法」と言われています。

「道」とは、民衆と上の意を同じにする者です。
なので、これと死ぬべき時、これと生きるべき時、危(うた)がわないのです。
「天」とは、陰陽・寒暑・時制です。
「地」とは、遠近・険易・広狭・死生です。
「将」とは、智・信・仁・勇・厳です。
「法」とは、曲制・官道・主用です。

この5つの者は、「将」が聞いたこともないということはないが、これを知る者は勝ち、知らないものは勝たない。
なので、これを校べるには「計」を利用して、その情を索めます。

どちらの「主」が有道か、どちらの「将」が有能か、どちらが「天地」を得ているか、どちらの「法令」が行われているか、どっちの「兵衆」が強いのか、どちらの「士卒」が錬成されているか、「賞罰」はどちらが明らかなのか、と言われている。

私はこれを利用して、勝ち負けを知ります。

と読めば、大きな齟齬は無いと思う。

順番に読んでいく。

① 「兵」は国の大事です。だから、ある程度予測できないと困る。
② その為に5つの基準で経(はか)る。
  校(くら)べるには「計」を使い、その「情」を索(もと)める。
③ 5つの基準は「道」「天」「地」「将」「法」です。
④ 「道」=民衆と上の意を同じくする者
⑤ 「天」=陰陽・寒暑・時制
⑥ 「地」=遠近・険易・広狭・死生
⑦ 「将」=智・信・仁・勇・厳
⑧ 「法」=曲制・官道・主用
⑨ この5つの基準を経り、校べて勝ち負けを予測する。

この章に書いてあることは、こういうことの様だ。

・①「兵」とは、「兵役」つまり、軍を起こすような事件のことを指すと思う。

・②については、「情」は情報関連のものだと推測する。「計」は、現時点では、情報収集能力なのか、情報を見極める能力なのか、その両方なのか、よくわからない。断定するのは危険だと思う。「経る」とは、基準を使う事、「校べる」は「比べる」で考えても大きく齟齬は無いように思う。

・③から⑧はあえて解釈するしようとすると、意味を取り違えて危険だと思う。特に「道」を、老子的文脈で「道」と解釈すると大きく取り違えそうだ。この文脈での「道」はあくまで、「上下の意を同じにするもの」の様だ。

非常に簡潔にまとめるならば、

「戦争は国の大事ですが、事前にある程度の見通しが必要です。
其の見通しを立たせるために、5つの基準があり、「計」を利用して、「情」を集め、その基準で比べます。
5つの基準は「道」「天」「地」「将」「法」です。
この基準で比べて、どっちが勝つか予想します。

という事になりそうだ。

【行動・意識への接続(1つだけ)】

(明日から意識することを1つ)

今回は、戦争についての基準だが、我々としては、日々、判断が必要なものが多い。判断基準をどこに置き、すべきか否かを決めるべきで、その際に、孫子は参考になると思う。一番大切なのは、孫子はどこに着眼点を持っているのかだと思う。

【保留メモ】

(今は結論を出さない問い)

「計」とは?
5つの基準のそれぞれの言葉はどういう意味なのか?
これは読み進めると孫子からの説明があり、構造的に理解できるはずだ。

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