多くの人は「正しいフォーム」を探すけれど、本質的にはそこではない。
問題の中心にあるのは、筋力でも柔軟性でもなく
**“どこまで動いていいか分かっていないこと”**だ。
つまり可動域とは、数字ではなく「制御の基準」である。
■①スクワット:重心は“真ん中に落ちるか”
スクワットで崩れる人の多くは、浅い・深いの問題ではなく、
- 前に逃げる
- 後ろに逃げる
- 途中で止まる
このどれかに偏る。
結果として、毎回同じ“安全な形”を繰り返すことになる。
ここで重要なのは深さではなく、
「真ん中に落ちて、そこから戻れるか」
という一点。
和式便器に座るようなイメージは、この“中間に落ちる感覚”を作りやすい。
ただし本質は深さではなく、
重心が前後に逃げない制御の獲得にある。
■②肩甲骨:動かすべきは“位置”ではなく“滑走”
肩甲骨も同じ構造を持っている。
多くの人は「寄せる・回す」といった形で考えるが、実際は違う。
肩甲骨は鎖骨と胸郭の上を滑る構造であり、
本来は固定されるものではない。
しかし現代では、
- 前に引かれたまま固定
- 胸郭の上で動けない
- 首だけで代償する
という状態が多い。
ここで必要なのは「ほぐすこと」ではなく、
肩甲骨が戻れる余白を作り、滑走を再獲得すること
そのために大胸筋や前鋸筋を緩めた上で、
大きく動かしてパターンを入れ直す必要がある。
■③共通している本質
スクワットと肩甲骨、一見別物だが構造は同じだ。
- スクワット:重心の可動域
- 肩甲骨:肩帯の可動域
どちらも共通しているのは、
「動くこと」ではなく「戻れること」
である。
人は動けなくなるのではなく、
“戻り方を失うことで固まる”。
だから改善とは、柔らかくすることではなく
中間状態を取り戻すことになる。
■結論
フォームを整えるとは、形を正すことではない。
- スクワットでは重心の真ん中を知ること
- 肩甲骨では滑走できる空間を取り戻すこと
この2つに共通するのは、
“可動域とは、動きの幅ではなく制御の幅である”
という視点だ。


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