腰痛に効くストレッチ と 悪化させるストレッチ | ストレッチの基本のキ

健康増進

腰痛に悩まされている方は多いと思います。

現代社会では座り仕事が多いので、もも裏やお尻の筋肉が固くなって腰の痛みが出ている場合があります。

そこで、ストレッチが有効に働く場合があります。

しかしながらストレッチが腰痛へ悪影響を与える場合もあります。

ストレッチの良し悪しは、筋肉の構造を理解しているか、目的の筋肉が伸びているかどうかに左右されます。

今回は、もも裏のストレッチである立った状態での前屈を例に挙げて説明をしていきます。

端的に言いますと上の図を見ていただいて、右が良い前屈、左が悪い前屈です。

ここでいう良い悪いの基準は、「もも裏」の筋肉が伸びているかどうかです。

もも裏の筋肉とは

ここでは、もも裏の筋肉の代表格「ハムストリングス」を解説します。

図を見てわかる通り、ハムストリングスは骨盤からすねの骨に繋がっています。

こちらの筋肉を伸ばすには、すねの骨をうごかすか、骨盤を動かすことが必要になります。

まさか、膝を逆に曲げるわけにはいきませんから、骨盤を適切に動かすことが大切です。

骨盤を動かす、ハムストリングスを伸ばす

ハムストリングを伸ばすためにできることはいくつかあるでしょうが、一番簡単なことは、股関節から体を前方に倒す動作です。

つまりは前屈をすることです。

しかし、前屈が苦手な人の多くは、下の図の左側の様に、背中を曲げて体を前に持っていく前屈をしてしまいます。

この左のような前屈は、本末転倒で、痛みが出ている原因が、腰回りの筋肉がこれ以上動きの余裕が無いので、痛みという警告を発しているのに、腰の筋肉をさらに伸ばし痛めつける結果になってしまいます。

右の図のように、股関節から体を前に倒して、もも裏の筋肉が伸びる感覚を味わいながら、ゆっくり伸ばすストレッチこそが、よいストレッチになります。

この際に、上の画像のように無理に手を地面まで落とす必要はありません。

もも裏の伸びを感じるところで、10~30秒程度、深呼吸をしながら伸ばしましょう。

呼吸が乱れて、我慢しながら頑張って伸ばすストレッチは、良いストレッチとは言えません。

相撲やバレーなど無理してでも可動域を伸ばす必要がある競技をする場合以外は、ストレッチに我慢は不要です。

適切な前屈を行って、もも裏の筋肉の伸びを感じられた時に、もし腰痛の原因が、もも裏の筋肉の過度な緊張であった場合は、症状が緩和するでしょう。

以上が、もも裏の筋肉のストレッチに関わらず、ストレッチの基本です。

競技による必要性を除けば、無理して伸ばすストレッチもどきは、怪我のもとです

各関節には、ある程度の可動域が決まっています。

ストレッチの理解が、動作の向上につながる

腰をまわすという動作を取ってみても、腰そのもの、腰椎そのものは左右5度しか回らないようにできています。

適切な関節可動域を理解して、腰をまわすような動作を作っていきます。

そちらについては別の記事を作りましたので、よろしければご一読ください。

要は、関節や筋肉に対する無理解が、体の痛みにつながる動作をしてしまうということです。

スポーツや武道で、すごい人の動きを真似しようとするとき、外面だけを真似した場合、無理な可動域が必要だと錯覚することが多いです。

また、今回のストレッチの例で挙げた「前屈」の動作は、腰を保護する動きでもあります。

背中を曲げることなく、体を前に倒すという動作は、逆にみると、背中を曲げずに体を起こす動作に繋がります。

下にあるものを持つときに、背中を曲げると腰痛を引き起こしやすいです。

逆に背中を丸めない適切な前屈動作に加えて、少し膝を曲げる。

この動作は、強い力を生み出し、安全にものを持ち上げる動作に繋がります。

トレーニング種目のデッドリフトを同じ動作になりますが、このトレーニング動作を習熟すると腰痛のリスクは格段に減ります。

↑デッドリフト

どこからどこへ繋がる筋肉なのかが大切

筋肉の仕事は「ちぢむ」こと。

ストレッチの基本は、筋肉を伸ばすことです。

効果的なストレッチを理解する方法は、何のためにその筋肉が「ちぢむ」のか理解することです。

その「ちぢむ」の逆の動作をすれば、ストレッチとして失敗はないと思います。

ストレッチは静的ストレッチと動的ストレッチというのがある

また、ストレッチは、「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」というのがあります。

静的ストレッチとは、いま話題に出ていたような、ゆったりとしっかり伸ばすストレッチです。

逆に動的ストレッチは、準備体操のようなものがあげられます。

常識の範囲内の一般的な準備体操は非常に有効です。体も温まって最高です。

しかしながら、動的ストレッチの中でも激しいものや、筋肉の知識が無いと無茶をしてしまうようなものも散見されます。

自衛隊体操などは、準備体操のくせに準備体操が必要な狂気の産物ですが、これは準備運動ではなくてもはやトレーニングです。著者は大好きでした。

すこし話は逸れましたが、まとめです。

つまりストレッチは、

  • 無理しない
  • 伸ばす筋肉を意識する
  • 形を気にせず、伸びている実感を大切にする

以上の3点が大切です。

腰痛の80%が原因不明といわれています。

もも裏の筋肉の緊張だけが原因であることは少ない思いますので、効果のない方もいるでしょうが、医師の診断で原因が特定できずにお困りの方は、ぜひお試しいただいて、少しでも効果を感じましたら、継続的にストレッチをしていただければと存じます。

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