でかい大胸筋は、男性の強さの象徴です。(実際に強いかは別ですが)
実際、ジムに行きますと大胸筋(胸の筋肉)と三角筋(肩の筋肉)を鍛えている男性が多いです。

この二つの筋肉が大きくなると逆三角形のたくましい体に見えやすくなります。
胸の筋肉を鍛える種目として有名なのは「腕立て伏せ」と「ベンチプレス」です。

胸の強化に大変効果的なこの2種目ですが、正しい意識、正しい姿勢を持たないと大胸筋を鍛えづらい種目でもあります。
特に初心者の方、体の使い方がよくわからない方は、胸を使った動作が感覚的によくわからないことが多いです。
今回は、どうすれば胸を鍛えるための知識をお伝えします。
胸筋の感覚は、みぞおち前で合掌すると掴める
簡潔にいいますと、これが結論です。
皆さん、みぞおちの前で両の手のひらを押し合ってください。

そのまま、力をぐっといれますと胸に力が入る感覚がわかるはずです。

そのまま、手を上に挙げていき、今度は鎖骨の前で力を入れます。
この時、胸に力が入りにくいのがわかると思います。
逆にみぞおちより下でも胸筋に力は入りづらいです。
そうです。みぞおちの前の高さに手のひらがあるあたりが一番大胸筋が働きやすいポジションなのです。
胸のトレーニングを見返す

その知識をもとに、ご自身のトレーニングを見返してみましょう。
例えば腕立てをするとき、手のひらの位置はどこにありますか。(スタートポジション)
胸に効かない方は、おそらく手の位置が鎖骨のラインにあります。
この際に、使う筋肉は腕と肩の筋肉に負荷が行きやすいです。
また、みぞおちのラインに手のひらを置くと、腕立て伏せの姿勢が取れない場合がありますし、腕立てできない場合が多いです。
というのも、今まで頑張ってきた腕立ては、腕と肩の筋肉を使っていたから、胸の力が使えていないからです。
その時は、素直に膝をついて、腕立てをやってみましょう。
手の位置は、みぞおちのラインです。
大丈夫です。大胸筋は力の強い筋肉ですから、慣れれば、胸に効く良い腕立て伏せができるようになります。
大切なのは、適切に大胸筋が働ける姿勢で丁寧に腕立て伏せをやることです。
ベンチプレスも同じです。
持ち上げるバーのラインは、みぞおちのラインに近いですか?
そこから外れれば外れるほど、大胸筋全体の力を発揮するのは難しくなります。
逆に、みぞおちのラインから外すことによって、特殊な負荷のかけ方をすることもできます。比較的マニアックなトレーニングになるので、胸の感覚をつかむためであれば一度放っておいてもいいでしょう。
まず第一に大胸筋を使う意識を高めるために、スタートポジションはみぞおちのラインに手を持っていくことを意識しましょう。
なぜ、その姿勢なのか?
ここからは大胸筋そのものについての知識になります。
知識があれば応用が効きます。
ただ、胸のトレーニングに関していえば、まず、胸に効く感覚を覚えていただきたい。
なので、胸のトレーニングをしても胸に効かない人は、先述した意識をもってトレーニングを試していただきたい。
以後はトレーニングのアドバイスではなくて、大胸筋を知るためのものになりますので、胸のトレーニングで行き詰まったり、いろんな胸トレーニングの紹介は、巷であふれかえってますから、どれがいいのかなとか思ったときに、基礎を知るのに有効かと思います。
筋肉は「ちぢむ」ことが仕事
筋肉は「ちぢむ」ことによって、骨と骨を近づける仕事をします。

大胸筋は、「みぞおちと鎖骨の中央をつなぐライン」から「上腕の骨の上の方」についています。

大胸筋が縮むことによって、腕が胸の真ん中(正中線)の方に近づきます。
実は大胸筋の作用は、それだけです。それ以外の動きは、ほかの筋肉がやってくれます。
大胸筋は上部と下部で動きが違う
さらに大胸筋は、ざっと分けると上の部分と下の部分で分けることができます。
大胸筋の上の部分は、上腕の骨の上半分の下の方についていて、大胸筋の下の部分は、上腕の骨の上半分の上の方についています。
つまり、大胸筋の上の方が「ちぢむ」と腕が上の方に行きながら、正中線に近づき、大胸筋の下の方が「ちぢむ」と腕がした方に向かいながら正中線に近づく動きが行われます。
その二つが、ちょうどよく力を発揮するのが、手がみぞおちのラインにある状態なのではないかと著者は考えています。
なので、大胸筋全体を鍛えるなら、手はみぞおちのライン。大胸筋上部を鍛えるときは、手を上に挙げていく動作に準ずる動き(インクラインベンチプレスやパイクプッシュアップ等)、大胸筋下部を鍛えるときは、手を下に下げる動作(デクラインベンチプレス、ディップス等)が良いといわれるのもこの筋肉の付き方が関係していると考えます。
日常動作で生かす
大胸筋は大きな筋肉です。
大きい分、力も強いです。
人と押し合うとき、物を押すときは、この大胸筋を大いに活用しましょう。
すなわちなるべく、みぞおちのラインに手がある状態で、押し込みましょう。
押し合いに弱い人は、鎖骨のラインに手があることが多いです。

また、筋力が弱っている方は、大胸筋を使うことを意識したトレーニングを行うと、起き上がる動作に役立てます。
まとめ
今回は胸の使いかたを、論述しました。
結論は、「みぞおちのラインに手を置くと、胸を使いやすい」です。
たったそれだけの記事ですが、大胸筋のトレーニングで迷ったときは、基本の基本に立ち返ると、解決しやすいです。
つまりは、筋肉は「ちぢむ」ことしかできず、大胸筋はどう「ちぢみ」作用するのかです。
実は、大胸筋の下には、小胸筋という筋肉があり、肩甲骨まわりの筋肉とも密接にかかわっています。
さらに大胸筋は、背中の筋肉や腕の筋肉とも協力し合って、上半身の動きを作っています。
体への理解が、日々の動作を変えていきます。けがのリスクも減らすでしょう。
その筋肉への理解の第一歩として、大胸筋をご紹介しました。
皆様の大胸筋に少しでもお役に立てたなら、幸いです。
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