身体の慢性痛(肩こり・腰痛等)は「生活の負の螺旋」から起こる/自分で体を守るために大切な事

健康増進

この記事の目的→慢性痛の原因となりがちな「生活の負の螺旋」を認知させ、体と向き合うきっかけとなる。

「生活の負の螺旋(らせん)」とは

以上の循環を「生活の負の螺旋」と呼んでいます

「循環」ではなく「螺旋」にしたのは理由があります。

状況は日に日に悪くなっていくからです。

この螺旋を逆にするとどうでしょうか。

このように、日に日に体の不調が改善されて、生活の質も高くなるはずです。

螺旋での一つ一つが痛みの原因ですし、何か一つ改善すればすべて改善するというわけではありません。

うまくバランスをとりながら、生活の質を高めていくしかありません。

しかしながら意識を変えるために、何が悪いのか理解する必要があると思います。

理解のために以下の様に論を進めていきます。

  • 慢性的な痛みの根本的な3つの原因
  • 良い姿勢を保つために意識する3つのこと
  • ではどうすれば良いのか改善策3選

理解があれば対策を考えることができます。

良かったらご覧になってください。

以下は著者の考える慢性的な痛みの原因です。

大まかに3つに絞りました。

  • 身体の使い方が悪い
  • ケアをしていない
  • 休息が足りない

一つずつ説明いたします。

体の使い方が悪い

体には使い方があります。

背骨を中心に考えるとわかりやすいです。

参考資料ですが、背骨と腰の関係は以下の記事でまとめました。

各関節にはそもそも可動域があり、動く範囲はおおよそ決まっています。

身体の曲がるところを曲げず、曲げてはいけないところを曲げる癖がつくと痛みが出るように出来ているようです

俗に言う「良い姿勢」と「良い体の使い方」ということですが、ここから外れた動きをしていると、体の痛みが出ることが多いようです。

「良い姿勢」についての著者の考えは後述します。

ただ、「良い姿勢」を保ち「良い体の使い方」をするためには、筋力が必要です。

例えば、骨に負荷をかける姿勢は、筋肉の使用が少なく楽ですが、結果として筋力の低下と骨の変形や体の痛みを招くようです。

なので、「良い姿勢」は、程よく筋肉を使った姿勢のようです。

体のケアをしていない

慢性痛を持っている方は、身体を使う前後に、準備運動やストレットなどのケアをしていない場合が多いです。

姿勢の悪化は、筋肉の緊張の不均衡があったときに起こりがちです。

要するに、筋肉は使いすぎると疲弊してちぢこまってしまうので、逆側の筋肉は伸びざるを得ない状態になるのです。筋肉は相互作用で関節を動かしているので、そのように片っぽだけ疲れていると、姿勢の維持は困難になります。

そちらの話はこの記事をお読みになると理解しやすいと思います。

結論から言いますと、筋肉は使用前にしっかりと準備しないと故障しやすく、使用後に伸ばしてあげないと硬いまま悪影響を与えます。

筋肉を使う時は、使用前と後に適切な処置が必要です。

年齢を経れば経るほど必要なことですが、多くの人が小学校で習ったこの処置を忘れてしまっています。

休息が足りない

先ほどのケアの話に近いですが、人体はそもそも適切に睡眠を取らないと回復しません。

睡眠時間が短いと怪我のリスクは圧倒的に高くなります。

睡眠をしっかりとるために、生活の質を高めなくてはならないのは言うまでもないことです。

慢性的な痛みの根本的な3つの原因のまとめ

以上、著者の考える慢性痛の根本原因3点でした。

  • 身体の使い方が悪い
  • ケアをしていない
  • 休息が足りない

この3つをしっかり意識できればそもそも慢性痛にはなりにくいと思います。

具体的な点としてまずは、「良い姿勢」を保つということの焦点をあてていきます。

解剖学的に良い姿勢と言われているのは、立ち上がったときに横から見て、「耳・肩峰・大転子、膝蓋骨後面・くるぶし」が一直線になっている状態を言います。

そう言われても常に横から自分を見ることはできませんし、常にそれを意識するのは難しいと思います。

著者は、結局は「頭の位置」と「背骨のS字」「筋肉を使えているか」の3点を常に考えていれば、結果として上記の良い姿勢に行きつくのではないかと考えます。

著者が提案する姿勢を意識するための3つの事

  • 頭は常に腰の真上にある様にする。
  • 背骨の緩やかなS字を保つ。
  • 常に筋肉は使う意識をする。

人類が、進化の過程で二足歩行になったとき、重い頭をどのように支えるかという問題がありました。

四足歩行の動物と我々人類の大きな違いに一つに背骨の形状があります。

四足歩行の動物と違って、二足歩行の我々の背骨の形状は緩やかなS字をしております。

これは、頭を支えるために進化した形と言われています。

ここで、背骨が繋ぐ頭と腰の関係が良くわかる表があります。

ナッケムソンの「体重70kgの場合の第3腰椎椎間板にかかる圧力」という論文の中の表です。

これは、姿勢よく真っすぐ立っている状態で腰にかかる圧力を100とした時に、その他の姿勢でどの程度圧力がかかるかを表した図です。

ここで注目していただきたいのが、「座っている」と「座って首を前へ」の関係です。

少し前に体を前に倒すだけで、45も数値が上がっています。

腰と首の位置が少し変わるだけで、腰のみならず、首への負担も大きくなります。

頭の位置と共に重要なのが、骨盤の使い方です。

背骨の土台となる場所ですから、良く言われている骨盤の「前傾」や「後傾」の状態になるとなるべく頭の位置を骨盤の上に置きたいために背骨のS字を保ちにくくなります。

図は骨盤が後傾した場合の姿勢の変化ですが、首の骨は真っすぐになり、背中のS字が変化してしまっているのは分かると思います。

このようなことも、普段生活していてチェックするのは非常に困難だと思います。

骨盤の状態については、その姿勢で腹筋に力が入るかどうかが判断基準として比較的有効です。

生活している中で、筋肉を使わない姿勢に慣れていると、骨盤が前傾・後傾しやすくなり、背骨のゆるやかなS字も変化してしまいがちです。

良好な姿勢を保つためには、骨に頼りすぎず、全身の筋肉を少しづつ使うことが大切です。

以上のことから著者は以下の3点を常に意識して生活することをお勧めします。

  • 頭は常に腰の真上にある様にする。
  • 背骨の緩やかなS字を保つ。
  • 常に筋肉は使う意識をする。

これまで、「慢性的な痛みの原因」や「良好な姿勢を保つ重要性」について、お話してきました。

ではすでに痛みが出ている場合はどうすれば良いのか著者の考えをまとめます。

主に3つの観点からお話しします。

  • 姿勢を保つ筋肉を鍛える
  • 悪い姿勢の時間を減らす
  • 生活リズムを整える

まず、前述した通り、姿勢は筋肉と筋肉が引っ張り合うことによって作られます。

姿勢が崩れてしまっているとき、片一方の筋肉が使い過ぎ、または使わなすぎによって固くちぢんで伸びない状態になっていることが多いです。

固くなった筋肉をマッサージなどでほぐす手段も有効ですが、長続きしません。

むしろ、筋肉は使うことによって血液が循環し、やわらかくなりますから、弱っている部分を鍛えて、緊張している部分の負担を減らしましょう。

体を使わずに、変な姿勢で体に負担をかけている場合が多いですから、基本的には全身まんべんなく鍛えることによって慢性痛の痛みは軽減されることが多いです。

しかしながら、姿勢の悪化で一部の筋肉に負担が常にかかっていますから、体の鍛え方は細心の注意が必要です。

姿勢の悪い方は、基本的には重力に対抗する筋肉である、もも前の筋肉(大腿四頭筋)や背中の筋肉(広背筋)などを中心に鍛えるのが良いと思います。

一方で鍛えた筋肉にも、休憩が必要です。

鍛えすぎてケアをし、適切な休息を与えなければ、筋肉は固くなりますから、姿勢も悪くなります。

結局、よく鍛えよく食べよく休みことが一番の解決策になります。

しかしながら皆様仕事があって、悪い姿勢をしなければいけない時間もあるかと思います。

悪い姿勢をしていることを自覚して、できるだけ良い姿勢に近づける努力が必要です。

慢性痛のある方に限らず、現代人はみな身体を酷使していることを自覚して、筋肉や体をケアすべきです。

生活リズムを整えるというのは、自己防衛の最たるものです。

生活リズムが整ってくると良いサイクルで睡眠、食事、そしてトレーニングが習慣化し、回復がしやすいです。

結局基本が一番大切という結論になりますが、

おさらいにもう一回気を付ける3つの事を記述します。

  • 姿勢を保つ筋肉を鍛える
  • 悪い姿勢の時間を減らす
  • 生活リズムを整える

気を付けるべきことは以上です。

これは基本中の基本で、考えることを様々あると思います。

ですが、なんでも基本が大切です。

この小さな意識の変化の積み重ねで、生活の負の螺旋を脱却して、よい螺旋にしていきましょう。

慢性痛が出る前に、体の調子が悪いなと思ったときはこの基本に立ち返ってみてはいかがでしょうか。

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