この記事の目的→体の要所「腰」を理解すると腰痛予防や日常生活やスポーツでの動き方が効率的になります。
論点
スポーツや武道で「腰を回す」動作がどうしても必要になる場面があります。解剖学的に正しい腰の回し方はありますか?
結論
腰は回らない。正確には「腰椎」は動かないように体は出来ている。むしろ、腰は回さずに体軸を回す動作を工夫するべし。
この記事では、腰について論じていきます。
著者も20歳から腰痛になり、10数年腰痛に悩まされて、腰痛と向き合ってきました。
腰痛対策で一番効果的なのは、腰の事を理解することです。
今回は以下の手順で論じていきます。
- 腰の理解は背骨の理解から
- 腰椎を動かす弊害
- 腰ではなく体軸を回す方法
以下持論を展開します。
良かったらご覧になってください。
腰の理解は背骨の理解から
背骨は4つの部位で構成される
腰を知るためには、まず背骨を知ることが大切です。
背骨は首から尻尾の生え際のような場所までの伸びている骨です。
背骨は大まかに4つの部位で構成されています。
- 首の部分の「頸椎(けいつい)」
- 胸・肋骨の部分の「胸椎(きょうつい)」
- 腰の部分の「腰椎(ようつい)」
- お尻の部分の「仙骨(せんこつ)」
以上の4つの構成となっています。
各部位に可動域が決まっている
また部位ごとに大まかな可動域は決まっています。
目の前が0度として左右に何度程度動くかというと
- 頸椎 左右に50度
- 腰椎 左右に35度
- 腰椎 左右に5度
- 仙骨 ほぼ動かない
と言われています。
ここで大切なのは腰椎、つまり腰の部分は左右に5度づつしか動くように出来てないということです。
腰椎は動かないように出来ている
この部分は非常に大切です。
実際、腰椎を見てみると、ゴジラの背びれの様な形をしていて、簡単には動かなそうなガッチリとした作りになっているのが分かると思います。
各部位の可動域の観点から見ても、腰は文字通り体の要(かなめ)ですから、動かさずどっしりと使い、繊細な動きはその他の部位に任せるといった体の使い方が適切だと思います。
腰椎を動かす弊害
背骨は椎体というもので出来ています
背骨の各部位もまた、もっと小さなモノがまとまって出来ています。
椎体と言いまして、頸椎は7の椎体、胸椎は12の椎体、腰椎は5の椎体で構成されています。
背骨の真ん中には、神経が通っています。
つまり椎体の真ん中に神経が通ってます。
さらに一つ一つの椎体から神経が出ていて、それぞれの部位に向かって体中に伸びていきます。
可動域を超えて動かすと起こること
椎体と椎体は靭帯や筋肉で繋がっています。
しかしながら可動域を超えて様な体の使い方をすると、椎体と椎体がぶつかったりして、神経を圧迫したりします。
(ここは加筆予定)
動くところを動かさず、動かないところを動かすと痛みがでるようになる
腰痛の8割は、原因がわからないと言われています。
骨折や脱臼、ヘルニアなどは明確に異常な箇所がわかるので、診断できますが、それ以外は、ほぼ原因は特定できないと言われています。
痛みの原因を特定できないですが、ほとんどの場合は、体の構造を理解せずに誤った使い方をしたか、していることの蓄積の結果痛みが出ている可能性が高いです。
そして腰痛になったほとんどの方は、使わないことによるか、または使い過ぎによって、必要な筋肉がちぢんだ状態から緊張がとれずに、腰椎以外の場所の動きが悪くなり、腰椎を動かさざるをえない状況に追い込まれています。
腰ではなく体軸を回す方法
首、胸椎、肩甲骨、股関節を使う
すごい簡単にいうと以上です。
首は左右に50度回転します。
胸椎は左右に35度程度ですが、肩甲骨を柔軟に動かすことによってかなりの動作を行うことが可能です。
また、股関節は大腿骨という太ももの骨が、股関節に球状の先端がハマっているのみの状態なのでかなり動きます。
余談ですが、この点は肩甲骨と上腕骨の関係に似ています。こちらは別の記事で書く予定です。
書きましたらこちらでご紹介します。
以上で簡単な説明になってしまいますが、腰以外の部位で、ひねる動作をする為に大きく動く部位はたくさんあることがお分かりになったと思います。
腰椎のひねりではなく、体軸をまわす
一般的に「腰をまわす」と言われている動作は、多くは腰椎ではなく、それ以外を駆使した体軸の回転動作です。
先述の部位に限らず、足裏、足首、膝、肘、その他全身の連動も加味して考えなければ強い動作は生み出されません。
さらに言えば、スポーツで大きな力を出し、競技で成果を出すためには、腰椎のひねりがどうしても必要なことがあるかもしれません。
スポーツなどで人と人とが競う時、解剖学的に合理的ではない、異常な動作が必要なことはあると思います。
しかしながら、背骨の構造と可動域をはじめとした、体の特性を理解することは、今後のスポーツキャリアを長くするためにも、その後の人生にも大きなプラスになると思います。
異常のシグナルを知ることが大切
今回は、腰についてですが、疲労を重ねると、動くべき箇所が思うように動かなくなったり、力が入るべき箇所の力が入らなくなることがあります。
それがなぜ起こるのか、それをどう対処するのか、このままならどうなるのか。
そういったことを知って初めて対処ができると思います。
今回は、「腰は体の要、どっしり構えてひねらない動作を心がける」ということをご理解いただけたら幸いです。
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